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笹瀬 雅人*; 志村 憲一郎*; 山口 憲司; 山本 博之; 社本 真一; 北條 喜一
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.186 - 189, 2007/04
被引用回数:5 パーセンタイル:40.96(Instruments & Instrumentation)ベータ鉄シリサイド(-FeSi)はその受発光特性などから将来の化合物半導体の一つとして注目される物質である。本研究では高品質な薄膜作製を目指し、基板の表面処理におけるスパッタエッチングの効果を検証することを目的として、あらかじめ14keV, Neで表面処理後1073Kで30分加熱回復を行ったSi(100)基板上に鉄をスパッタ蒸着することにより-FeSi成膜を試みた。得られた薄膜を透過型電子顕微鏡による断面観察を行った結果、1keVで照射の場合は基板・薄膜ともほとんど欠陥が確認されず、極めて高配向の-FeSi(100)薄膜が生成していることを明らかにした。この結果イオン照射による表面処理が高品質な薄膜作製に有効であるとともに原子レベルで平滑な界面が得られることを見いだした。
知見 康弘; 石川 法人; 岩瀬 彰宏*; 小野 文久*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.388 - 391, 2007/04
被引用回数:10 パーセンタイル:59.1(Instruments & Instrumentation)これまでにわれわれは、高エネルギー重イオン照射がFe-Niインバー合金の磁性を改質すること、すなわち照射によってキュリー温度が上昇することを見いだしてきた。本研究では、磁性改質のメカニズムを明らかにするため、改質を支配する照射パラメータについて調べた。試料としては、rfマグネトロンスパッタリング法によりMgO(100)単結晶基板上に作製したFe-Ni及びFe-Ni-Mn合金薄膜(膜厚500nm)を用いた。この試料に、種々のエネルギーと質量を持つイオン種(1.0-200MeV, H-Au)を室温で照射した。その結果、比較的低エネルギーのイオンを照射した場合に、が大きく上昇した。これは、入射イオンとターゲット試料原子との弾性的相互作用が磁性改質には支配的となっていることを示している。上昇量のイオンエネルギー及び照射量依存性から、改質を支配する照射パラメータに関する情報が得られた。
中川 将*; 堀 史説*; 知見 康弘; 石川 法人; 北川 通治*; 大嶋 隆一郎*; 飛田 徹; 谷口 良一*; 鈴木 雅秀; 岩瀬 彰宏*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.397 - 401, 2007/04
被引用回数:4 パーセンタイル:35.71(Instruments & Instrumentation)原子炉圧力容器鋼モデル合金であるFe-1.2wt.%Cu合金に200MeV Xe及び200MeV Auイオンを高温で照射し、硬さの変化を測定した。本研究では、過飽和Fe-Cu合金においてイオン照射した領域のみ溶質Cu原子の照射誘起偏析によって硬さが上昇することに注目し、照射による材料の局所改質への応用の可能性を探った。照射の際にマスキング板を用いて同一試料中に照射領域と未照射領域とを共存させ、微小硬さ試験機とナノインデンターを用いて硬さ変化に対する押し込み深さの影響を調べ、さらに2次元測定を試みた。その結果、押し込み深さが大きくなるほど硬さの上昇量が減り、また、照射領域と未照射領域との境界では硬さの違いが明確に現れ、比較的鋭い変化をしていることがわかった。すなわち、照射により材料中のある狙った領域の表面層のみ局所的に硬化できることが明らかになった。このことから、高速重イオン照射が過飽和合金における硬さの局所改質に利用できる可能性が示唆された。なお本発表内容は、大阪府立大学との共同研究「軽水炉圧力容器鋼における照射欠陥生成過程と照射誘起偏析に関する研究」において得られた成果の一部である。
小野 文久*; 知見 康弘; 石川 法人; 金光 裕昭*; 松島 康*; 岩瀬 彰宏*; 神原 正*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.402 - 405, 2007/04
被引用回数:5 パーセンタイル:40.96(Instruments & Instrumentation)Fe-Pdインバー合金に200MeV Xeイオンを照射し、10ions/cmの照射量まで照射し、キュリー温度が20-25K上昇する結果を得た。Fe-Ni合金においてもキュリー温度が同様のイオン照射により上昇することを既に見いだしているが、そのキュリー温度上昇幅と比較すると少ないことがわかった。NiとPdの原子半径の違いから、キュリー温度上昇幅の違いの起源を議論した。
永田 晋二*; 小西 芳紀*; 土屋 文*; 藤 健太郎*; 山本 春也; 高廣 克己*; 四竈 樹男*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.519 - 522, 2007/04
被引用回数:7 パーセンタイル:50.06(Instruments & Instrumentation)プロトン伝導性を示すパーフルオロスルホン酸系高分子膜について、電気伝導特性に及ぼすMeV領域のイオンビームの照射効果を調べた。膜試料に対して、イオン種と照射量を変えた照射を行い、膜試料の電気伝導度の変化を調べた。その結果、水素(H)及びヘリウム(He)イオンを単位面積あたりの照射量が210ions/cmまで照射すると、膜試料の電気伝導度が約3桁上昇することがわかった。さらに、イオン照射を行った膜に対して可視,紫外分光及び赤外分光を用いて膜中の化学結合状態を調べたところ、フッ素と炭素からなる不活性な化合物(パーフルオロカーボン,PFC)とペロキシラジカルの形成が確認できた。これよりイオン照射によって形成されるPFCなどの化合物が膜試料中のプロトン伝導性を高くする要因の一つであると考えられる。
永田 晋二*; 東 誠二郎*; 土屋 文*; 藤 健太郎*; 四竈 樹男*; 高廣 克己*; 尾崎 孝一*; 川面 澄*; 山本 春也; 井上 愛知
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.420 - 423, 2007/04
被引用回数:16 パーセンタイル:72.04(Instruments & Instrumentation)代表的な金属ガラスであるZrAlNiCu合金に対してイオン照射を行い、その構造及び初晶挙動について研究を行った。実験では、厚さ50-100mの膜状試料に300-500keVのエネルギーに加速した水素(H),銀(Ag),銅(Cu)、及び金(Au)のイオン照射を行った後、X線回折法により結晶構造を調べた。その結果、照射直後の試料の構造に変化は見られず、照射したイオン種による違いも見いだせなかった。さらに、イオン照射した試料に対して熱処理を行うと準安定相の形成が確認された。これらの事実から、初晶は、エネルギー付与が多くなるとその成長速度が遅くなる傾向のあることがわかった。これは、イオンの線エネルギー付与が大きくなるにつれ形成される準安定相の核生成サイトが増加するためであると考えられた。
高野 勝昌; 井上 愛知; 山本 春也; 吉川 正人
no journal, ,
酸化タングステン(WO)薄膜の水素吸着により着色する(ガスクロミック)現象を利用した、光学式水素センサーの研究が行われている。この着色は、薄膜内に形成されるWO結晶の酸素原子の欠陥によって発現すると考えられている。本研究では新しい試みとして、エネルギー350keVのイオン照射により、成膜したWO結晶内に酸素原子の欠陥を意図的に作る実験を行い、着色の照射量依存性を調べた。その結果、成膜直後は低かった着色率が、イオン照射により増加し、酸化タングステン薄膜の着色の改善が可能であることがわかった。
杉本 雅樹; 高野 勝昌; Wach, R. A.; 吉川 正人
no journal, ,
耐久性,耐熱性の高いSiC薄膜は、金属,ガラス,セラミックの表面保護被覆膜としてだけでなく、水素製造過程におけるガス分離に利用可能である。そこで本研究では、セラミック前駆体であるケイ素系高分子を薄膜化し、電子線で架橋後に焼成してセラミック化することでSiC薄膜を合成し、その評価を行った。ガス透過性測定において、水素/窒素分離比は10以上を示しており、分子ふるい機構によるガス選択分離性を有することが確認できた。またラザフォード後方散乱、及び走査電子顕微鏡により組成,膜厚及び表面構造を調べた結果、SiC層と基材はよく密着しており、その組成はケイ素高分子繊維を電子線で酸化した場合に比べ、20%以上酸素を多く含むことが明らかになった。
鳴海 一雅; 境 誠司; 楢本 洋; 前田 佳均
no journal, ,
Si基板上に蒸着したC薄膜に380keV H, H, 7MeV C, 360keV Ar, 2.1MeV Arイオンを照射し、その結合状態の変化をラマン分光法で評価した。Cのラマン活性モードのピーク強度は照射量とともに減少し、それに伴って非晶質炭素による成分が顕著になり、最終的にC薄膜が非晶質炭素に変化した。ラマンスペクトルの温度依存を測定することによって、照射に伴うA(2)モードの変化が、従来考えられていた多量体化によるものではなく、イオン照射に伴うC分子の欠陥を反映していることを明らかにした。照射量に対するA(2)モードのピーク収量の変化より、C分子の損傷断面積を求めた。A(2)モードのピーク収量の照射量依存は、損傷断面積の逆数によって規格化でき、規格化された照射量によってC薄膜の損傷過程が3つの領域に分けられることを明らかにした。
山本 春也; 高野 勝昌; 井上 愛知; 吉川 正人
no journal, ,
パラジウムを触媒として担持した酸化タングステン膜は、水素の吸蔵により光学的特性が変化して青色に着色する(ガスクロミック現象)。このため水素検知材料として利用が期待されている。本研究では、酸化タングステン膜を用いた光学式水素センサーの開発を目的に、反応性スパッター法により作製した酸化タングステンの組成及び結晶構造とガスクロミック特性の関係について系統的に調べた。実験では、種々の酸素分圧条件の下で酸化タングステン膜の作製を行い、ラザフォード後方散乱法によるタングステン(W)と酸素(O)との原子数比の決定を行い、さらにX線回折法による結晶構造評価を行った。その結果、O/W比が1.63.0の酸化タングステン膜のうち、O/W比が3近傍にあり、非晶質構造を有する酸化タングステン膜でガスクロミック現象が発現することを見いだした。以上より光学式水素センサー材料に関して、組成,結晶構造などの材料設計に関する指針が得られた。
柴田 裕実*; 土田 秀次*; 伊藤 秋男*; 齋藤 勇一; 千葉 敦也; 鳴海 一雅; 荒川 和夫
no journal, ,
高速クラスターイオンは単原子イオンと比較して、物質との相互作用や照射効果において、その構成原子数に対して非線形的に振舞うが、その過程は解明されていない。そこで、2次イオンの収量や質量分布を通して、高速クラスターイオン照射の特徴を調べることを目的に、炭素クラスター及び金クラスターをHOPGに照射した時の、標的からの2次イオンの測定を行った。その結果、炭素クラスターイオンでは構成原子の増加とともに2次イオン収量が非線形的に増加したが、金イオンではほぼ線形的であった。物質中でのエネルギー損失過程を考えると炭素クラスターの入射速度は、電子的励起が支配的で、金クラスターは電子的励起と核的励起がほぼ同じという領域である。これらのことから、構成原子数に対する2次イオン収量の非線形な増加は、電子的励起現象が重要な役割をしていることが示唆された。